東京藝術大学卒 日本画家 澁澤卿の軌跡

Diary 2009年2月

春告梅香 60.6×90.9cm

ー古刹・四季の移ろひー澁澤卿展が5月6日より12日まで日本橋三越本店をスタートに名古屋店(5月20日〜26日)・仙台店(6月16日〜22日)・福岡店(7月15日〜20日)・高松店(8月4日〜10日)・松山店(8月18日から31日)・新潟店(9月予定)・札幌店(9月15日〜21日)と巡回します。還暦と病気平癒と中国政府より和平発展貢献賞授与を記念しての大きな展覧会です。毎日毎日アトリエに籠もって制作三昧といった生活を送っています。病気になる前までは自分にはまだまだ時間があると思っていたのであれもしたいこれもしたいとじっとアトリエに籠もって仕事をしているのが苦痛でした。闘病中薬の副作用で苦しい中での制作で絵が出来上がるとこの作品が絶筆になるかもしれないと思い、求める絵にもっと近づきたかったと悔しくて。その時の思いからなのかただ単に還暦を迎える年のせいなのか絵を画くことが楽しく、ほかの興味が薄れてしまってアトリエに籠もっていても苦痛ではなくなりました。

天才画家として早逝した有元利夫君に「澁澤の仕事は手離れが良いのがいい結果を招いているね。」と言われた事があります。今の私は自分の目の奥にある絵にすこしでも近づけるまでしつこく食い下がって画いています。有元君に唯一褒められた長所がなくなってはたして正しい道を歩いているのか不安ですが、この坂を上り詰めなければ先の景色が見えない気がして今は暗中模索、ただ足元を確かめながら一歩一歩登っています。三越の個展でそんな思いで画きあげた作品群に対して皆様のご意見・ご感想をお聞かせいただけましたら有難いと思います。お近くの会場にぜひお出掛けくださいましてお声を掛けてください。私が会場に出向いている日は追ってお知らせします。

今年は年男、厄除けも兼ねて鎌倉八幡宮に招待されたもので豆を撒いてきました。不況やインフルエンザの流行など良いニュースが聞こえないこの頃ですが皆様にはお身体を大切にお過ごししていただき個展会場で元気なお姿を拝することが出来ることを楽しみにしております。