東京藝術大学卒 日本画家 澁澤卿の軌跡

Diary 2008年2月

あっという間に1月が終わってしまいました。節分には鎌倉も白銀の世界になりました。東京より積もっていたようです。我が家は山の上なので上がってくる道に雪が積もると陸の孤島です。宅配からも近づけないので明日の配達で良いかと電話があったぐらいです。少し風邪気味だったので雪の鎌倉のスケッチにも出かけることが出来ずにアトリエに篭って静かな一日を過ごしました。夜には白い雪の上に病魔を完全に追い払うべく例年より力を込めて豆を撒きました。先月21日やはり雪が深々と降る日に福島の白河に住む義父が亡くなりました。この数年看護を受けていた状態ではありましたが昨年10月には私の病気がよくなったことの報告に見舞いに行った時には元気な姿を見せてくれていたのにインフルエンザが原因で肺炎をおこし急に逝ってしまいました。1男4女の子供たちと、多数の孫・ひ孫たちが参列して神式の葬儀が厳粛に行われました。実直でまじめな性格で盆栽の手入れをしているのが何よりの楽しみだった義父に似合った純白の景色の中での葬儀でした。江戸時代から営んできた呉服商を継いで戦後からずっとがんばって大きくしてきた義父でした。私と出会いがきっかけで書画にも興味を持ち庭に4つあった倉の中に眠っていた古美術品を持ち出してきては酒を交わしながらその品物について語り合ったものです。私の絵も沢山収蔵していただき、新しく建てました客間に通じる廊下の壁に展覧会場のように飾ってくれていました。私の絵の最高の理解者であり応援者だった義父の死は寂しくそして残念でなりません。残された義母も私の両親も80歳を越えました。三人には寝込むことなく、いつまでも元気で余生を楽しんで生きて欲しいと願っております。

節分も終え新しい年を迎えました。今年が皆様にとって良い年になりますよう祈念いたしております。寒さもますます厳しくなってきております皆様には風邪をひかないよう気をつけてお過ごしください。