東京藝術大学卒 日本画家 澁澤卿の軌跡

Diary 2005年10月

秋になって制作中心の変化のない生活に入りました。毎年秋には来年度のカレンダーの掲載作品の制作でスケジュール表には何も記載できない状態になります。少しでも時間が取れたらスケッチにも出かけなければいけません。仕事がなくて時間をつぶさなければいけないような生活も困りますけど今のように仕事に押しつぶされそうな生活も困ったものです。良い具合に制作の依頼が入ればいいのにそううまくはいきませんね。こんなに忙しくても私はストレスを溜めることがありません。一枚の絵が仕上がったときの満足感が溜まったストレスを消去してくれます。まして個展で会場に自分の絵が一杯に飾られたのを眺めた時にはストレスを消去して余りあるものがあります。大学のデザイン科の恩師故末田利一先生が芸大を退官されてデザインの仕事を辞めて絵を描いて個展を開いていた時「この年になって今日はどんな絵が画けるのか朝起きるとわくわく出来る毎日を送れる。こんな仕事はそうないぞ。絵描きは幸せだな。」と言われたことが分かる年になってきました。私の絵を待っている画商さんやデパートの方々はさぞストレスが溜まっていることでしょう。本当に申し訳ないと思っております。