東京藝術大学卒 日本画家 澁澤卿の軌跡

Diary 2011年07月22日

暑い日が続いておりますが夏ばてなどされておりませんか?まだまだ夏も始まったばかりです。御身体を大切にお過ごしください。私は多発性骨髄腫と診断されて5回目の夏を迎えております。一回目の夏も暑い夏でしたが私はエアコンの効いた病院のそれも閉鎖された無菌室に閉じこめられて苦痛に耐えながら過ごしました。その治療の成果と新薬の開発のおかげで今年の夏も元気に暮らしております。今月上旬にはスロヴェニア・クロアチアに行ってきました。湖底まで透けて見えるコバルト色の湖や長さ27キロの鍾乳洞、青空と碧い海とオレンジの屋根の白い家並みと30度を超える暑さでしたけど天気に恵まれて日本では見ることが出来ない景色を目に焼き付けて帰ってきました。日本の景色に漂う空気とまったく違う空気を知ることはこれからの制作に大いに役立つと思います。日本に帰ってきて蒸し暑い空気の中で冷たい蕎麦を食べて夜は湯船に浸かって洗い場で汗を流した後に日本語で流れるテレビを見ながらビールを飲む。なんと素晴らしいのでしょう。日本人に生まれたことに感謝します。6月から長女夫婦は家族でイスタンブールに引っ越していき、毎日のように近況を送ってきますけど私には彼女のような外国での生活はとても我慢が出来ないと思います。海外でどんな素晴らしい景色と出会ってもそこに住みたいと思ったことがないのですから。海外旅行は私の日本への愛着を強めるための必要な行事なのです。旅行で私の夏休みは終わりましたので残りの夏は、来春の群馬スズランでの個展に向かって制作に励みます。