東京藝術大学卒 日本画家 澁澤卿の軌跡

Diary 2004年04月

桜の開花は例年より早く2週間も前に聞かれましたが花冷えの日が続き鎌倉では4月に入りやっと見頃になりました。私は慌ててスケッチの予定を入れ四国香川と徳島に行って来ました。やはり桜の見頃には少し早かったのですが八十八カ寺の半分がある讃岐の国と阿波の国を巡礼のお遍路さんに混じって絵描きがスケッチを目的に山入して、そのうえ般若心経が唱えられる中で南無妙法蓮華経と小さく口ずさむというまったく不謹慎な行動?をとってきてしまいました。どのお寺にも大きな観光バスが何台も止まり菅笠をかぶり白衣をまとい上から輪袈裟を下げ金剛杖を手に持って持鈴の音を響かせてたくさんのお偏路さんがお参りしているのに驚かされました。一加持で一日500人近い人がお参りしているとして、ざっと計算すれば今このとき遍路している人は500×88ですから44000人もいるということになります。中には車で上がってくるのも大変だった道程を私より年長者と思われる人が何時間もかけて歩いて巡礼している人がいました。88番札所の大窪寺では何日もかけて歩いて巡拝したお偏路さんが次に回るところがなくなってしまうので最後の寺から去りがたいと山門の手前で話されているのを聞きました。我を恥じ頭が下がる思いでした。お遍路さんたちの顔は皆さんすがすがしい笑顔でした。信仰とは心のリフレッシュにはなくてはならないものということが実感しました。観光とは縁のないお寺なので飾り気が無く絵に描ききるかどうかわかりませんがいくつかスケッチはしてきましたので本画になったものを皆様に観て頂く事があると思います。楽しみにお待ちください。今月はグループ展も色々と開催されます。ご案内のページに詳しく載っておりますのでお近くに巡回されました時にでもお出かけください。