東京藝術大学卒 日本画家 澁澤卿の軌跡

Diary 2004年03月

3月に入っても彫刻の籔内君との二人展と大薮先生と仲間たちの展覧会の制作に追われています。展覧会の情報は別欄を見てください。先日シンワオークションという公開オークションが開かれました。1990年にドイツなどを巡回し開催されました「屏風絵展」の作品を収蔵しておりましたミナミ電気が倒産いたしましてミナミ美術館が収蔵していた作品の全てが債権処理をしておりました金融機関よりこのオークションにだされました。最近こそ美術愛好者の方々が画商の助言や作家の肩書きを余り気にせず自分の好き嫌いで美術品を購入するようになってきましたがまだ公開オークションで市場相場の正しい情報を踏まえての価格を表示することはなく安く手に入る場としてオークションが存在しております。そしてオークションの落札価格が美術雑誌等で発表されてしまいますのでほんの1・2点のそれも制作年を明記しない作品の落札価格で新作の発表価格に大きな支障をきたし現存作家の活動の妨げになっております。公開オークションを開催する会社は参加する美術愛好者の皆様に各作家の正確な情報を提供する義務があると思います。ちなみに今回出品されました私の屏風「芳池明鏡」はドイツ・フィンランドでの人気投票で一位を取った若いときの代表作品の一つです。落札価格は400万だったようです。今の発表価格からすると余りにも安値ですが屏風は飾る場所が少なくなり人気が少なく発表価格も当時から大きさの割には非常に低くたしか当時の発表価格は今回の落札価格ぐらいだったと思います。そんなことは雑誌をみた人は理解することができず大きさと価格だけが頭にインプットされてしまします。それにしても私としてはいくら旧作とはいえ自信作の今回の落札価格にはとても不満を持っています。現存作家も扱っている画商が集まって作ったオークション会社がいくら債権処理といっても自分たちで価値をつけてきた作家たちの作品をまるで土地の競売のような扱いで叩き売ってしまっていいのでしょうか。このホームページを読まれたオークション関係者の皆様には大いに反省を求めたい。そしてこのような結果がでたことは私の力不足でもあると反省してますます精進していく所存です。これからも皆様のご支援によっての後押しもよろしくお願いいたします。