東京藝術大学卒 日本画家 澁澤卿の軌跡

Diary 2006年04月

我が家の改築が予定より長引いてしまいお風呂が使えない、台所が孤立状態、居間もなく落ち着くところがない、朝早くから職人さんがいて気になるその上荷物の移動で首をいためてしまい左腕のしびれと痛みで制作に集中できず大幅に予定がくるってしまった。ここ数年規則正しい生活を送ってきたので生活のリズムが少し狂っただけでも集中力に影響が出るようだ。肩から腕にかけての痺れと痛みは夜寝られないくらいで毎日シップと薬で和らげている。この薬がまた眠気がきてしまい困る。首の神経に頚椎の間の軟骨が変形して少し圧迫しているそうで病気のうちには入らないそうだ。「年のせいです」とあっさりと医者に言われてしまった。見るからに健康そうな風体をしているので医者に行くとどんなに具合が悪い時でも何しに来たのだといった眼でみられる。確かに整形外科の待合室には歩くのがやっとといった人たちで溢れていてどうみても私は軽症患者だと思った。しかし制作に影響を及ぼしている以上ほっておくわけにはいかないので居心地の悪い待合室で2時間も待って診察を受けたのに返ってきた言葉は上記のものだった。「2ヶ月ぐらいで自然完治するでしょう」と何の治療もなしで薬だけくれて追い返されてしまった。自分ではまだ若いつもりでいるのだけど年齢は57歳になった。先日もあるパーティでずっと年上だと思って敬語を使ってしゃべっていた人が自分より年下と判って愕然とした。彼はまさしく老人だった。自分もそう見えているのかと思ったらショックだった。6月には孫が生まれるのだから年寄りの仲間入りは仕方がないのかも。ところが絵描きとしてはまだまだ駆け出しの小僧。百歳に近づいてもいい仕事をしている諸先生にこんなことでぼやいていたら笑われてしまう。後40年も制作を続けなければならないのだから。遅れを取り返すべく明日からがんばろう。